JavaScript初学者の壁
会社を作ってからいくつかの企業でフロントエンドの社内トレーニングや新卒研修、技術メンターなどをしており意外と「JavaScript初学者の壁」でつまづいている方が多いことに気がつきました。
JavaScript初学者の壁とは?
JavaScript初学者の壁でつまづく人との特徴として以下の様な状況にある人が多いように感じます。
- JavaScriptを覚えたい
- 入門書やネット上の情報で基本は学んだ
- 業務ではJavaScriptをつかっていない
このタイミングでは簡単なものでも思い通りに作るのはむずかしく、かといってどうやって学んでいけばよいかの道筋も見えなくなり、学習がストップしてしまいます。
ちなみに、本記事はそれ以前の「入門書を読んでもわからない」という方は対象にしておりません。恐らく入門書の浮気ができていないと思われるので「これからjQueryを始める方へ -入門書の選び方・読み方-」を参考にしてください。
JavaScript初学者の壁を超えるために
基本的な学習レベルから、作りたいものを(ある程度)思い通りに作れるようになる「JavaScript初学者の壁」を超えるのには以下の能力(いわゆる経験と呼ばれるもの)を鍛えていく必要があります。
- 応用力/想像力
- 検索能力
- 引き出しの数
よく、なにか作りたいものがある人は上達が早いと言われますが、これは「基本的な学習」が終了した後に目的のものを作り出すため学習がストップせず、また作っていく過程で上記の能力が強化されていくためだと思います。
では、特になにか作りたいものがあるわけではないけど、JavaScriptを習得したい(習得すれば業務の幅が広がる)方はどのように学習していけばよいでしょう?
いくつかの学習方法を提示してみたいと思います。ひとにより向き不向きもあると思いますが参考にしてください。
再写経
「入門書やネット上の情報で基本は学んだ」とはいえ身についているかどうかは別物です。とくに写経、いわゆる参考コードの移し書きだけではコードの流れやロジックは理解できるとおもうのですが、内容を自身で再現できることは難しいです。
では身についたかどうかの判断をどのようにするかというと、初学時に写経したファイルからJavaScriptのコードを削除して参考コードを参照せずに完成させられるかどうかを判断基準とします。
難しい場合は以下の様な条件を追加するとより実践的になります。
- 参考コードと異なる書き方になっても機能が同じならOK
- わからない場合は検索して調べる
検索の場合も「1ページから参考にできるのは1文のみ」や「jQueryの公式サイトのみを対象にする」などの縛りを作るとより良いでしょう。
これを繰り返し検索しなくても記述できるようになったら身についたと判断してよいでしょう。
これにより基本をしっかりと引き出しとして使えれるようになり検索能力も向上します。
追加機能
上記の再写経でつくったサンプルにどんどん機能を追加していきましょう。
たとえば以下の様な追加のさせ方はどうでしょうか?
- クリックすると背景が赤になる
- クリックすると背景が赤、文字が青になる
- クリックすると背景が赤、文字が青になり、もう一度クリックすると元の色に戻る
- さらに現在のクリック数も表示される
- クリック数はcookieに保管されリロードしても破棄されない
- クリックではなくダブルクリックで動作するようにする
- ダブルクリックではなくトリプルクリックで動作するようにする
- トリプルクリックでスマホのスワイプで動作するようにする
ここでは簡単にできそうだけどやり方を知らない機能を追加していくのがよいです。
やり方を検索して調べて学んでいくことで応用力/想像力、検索能力、引き出しの数が向上していきます。
トレース
このタイミングで重要なのは目的(つくるもの)を見つけ出すことです。
そこで、世の中に出回っているJavaScriptライブラリの機能を真似(トレース)するのをおすすめしています。
目的(つくるもの)の機能はJavaScriptライブラリの仕様として明示されていますのでそれを真似して作っていきましょう。
「JavaScript Library Archive」などから簡単そうなライブラリを探して真似していきましょう。
100%の機能を真似する必要がありません、たとえば30%真似できれば、30%の経験と70%の課題が残ります。課題はメモっておき経験が増えてきたタイミングでもう一度トライしてみましょう。そのさいに50%真似できれば成長していることが実感できると思います。
最後に
あるていど経験をつめば、業務などでも携われる範囲が増えていきます。
業務で携われるようになるとJavaScriptに触れることができる時間が圧倒的に増えていきますので、業務でJavaScriptに触れられるように周囲に働きかけるのがよいでしょう。
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