技術トレンドを追わないという勇気

技術トレンドを追わないという勇気

昨日、「第19回 HTML5+JS 勉強会 【オレオレフロントエンド開発環境 ~際限なき修正を攻略せよ!~/甦れFlasher「swf2js」でswfをリアルタイムでcanvasに出力】」というイベントに参加してきました。

そこで講師の沖さん(@448jp)が、「技術は目的を達成する手段なので、あまり新しい技術に振り回されてはいけない。」的なことをおしゃっていて、それはそうだなと思いながら私が最近感じている事をすこし書き留めておこうと思います。

技術トレンド圧力

フロントエンド界隈ではJavaScript/node.jsの盛況もあって毎日のように新しいライブラリ/フレームワークやツールがリリースされています。そして、それらの技術に対してアーリーアダプター的なフロントエンダーが試してはブログやQiitaでレビュー内容を記事にしたり、TwitterやFacebookなんかのSNSで感想などを書いているのをよく見かけると思います。

それらのレビューに対する反応に「良さそう」、「良くなさそう」という反応以外に「また、新しいのか」、「ついていけない」といった反応が一定数あること、そしてそれが徐々に増加していることがすこし前から気になっていました。

みんな、技術トレンドの波に疲れているんでしょうね。

この反応はすごく理解できて、新しい技術トレンドのおかげで「仕事が楽になる/便利になる」以上に、「新しい技術トレンドを習得しなくちゃいけない」/「せっかく習得した技術が陳腐化される」といった圧力を感じそれがストレスになっているんでしょう。

たしかに、古くはPrototypeと呼ばれるJavaScriptフレームワークが一世を風靡したあとにjQueryが登場しそのお株を奪っていったり、最近ではGruntが流行ったかと思えばGulpなどが登場して一気に存在感を増していったりと、フロントエンド業界の技術トレンドの流動は激しいです。

また、新しい技術トレンドを紹介する記事なんかには「○○はもう古い、これからは☓☓だ」や「○○は死んだ」といったこれまでの技術トレンドをディスりながら新しい技術トレンドを普及させようとする物もあり、これらの技術トレンド圧力はかなり高いです。最近だとPostCSSの紹介にSassを批判した「Sass is dead」などが話題になりました。

個人的な予想では、この状況はあと数年は沈静化されることなくますます活発になっていくのではないかと思ってます。

ですので、技術トレンド圧力にストレスを感じている人は技術トレンドとの付き合い方・向き合い方をあらかじめ決めておくことでこれらのストレスから開放されるのではないかと思います。

そこで出てくるのがタイトルの「技術トレンドを追わないという勇気」。

流行のどのタイミングで手を出すか

技術トレンド圧力にストレスを感じている人は無理に、技術トレンドを追わずに技術トレンドが一般的な技術になるまで無理に向き合わなくても良いのではないかなと思っています。

一般的な技術になったタイミングの見極めは難しいのですが、イノベーター理論によると流行に接するタイミングで人間は以下のグループに別れます。

1.イノベーター
2.アーリーアダプター
3.アーリーマジョリティ
4.レイトマジョリティ
5.ラガード

イノベーターは流行る前から接している人、アーリーアダプターが接し出したタイミングで流行が発生しはじめ、アーリーマジョリティが流行を作り上げ、レイトマジョリティは流行りきった後に流行に接する人です。

アーリーマジョリティとレイトマジョリティの境界線は流行りきる前に接するか、流行りきった後に接するかです。具体的にはその技術トレンドがターゲットとする人の50%が利用しているかしていないかであり、この境目辺りが一番手をだすタイミングでとしては良いのではないかなと思います。

とはいうものの、そのタイミングがどこかというのは肌感で感じるしかないですね。

ひとまずはアーリーアダプターが騒いでいる間に、その技術トレンドがどのような物か・自身にとって有益かどうかなどを紹介記事やレビュー記事をななめ読みして知っておき、お仕事で使わなくてはいけなくなったタイミングや書籍や解説しているサイトが充実してきた、周りで使っている人が増えてきたなどの指標でその技術トレンドと接するのが良いのではないかなと思います。

技術トレンドを楽しむという選択

とはいうものの、先行者利益というものがあり技術トレンドに早めに接していたほうが、その技術トレンドがもたらす利点を早めに享受できたり、その技術トレンドが必要な仕事にありつけたりします。ただし、人口が少ないと情報が少なかったりその技術トレンドが流行る前に廃れていくリスクもあります。

これだけ新しい技術トレンドが生み出されているのですこしぐらい新しい技術に振りまわされても、それらを楽しむという選択も良いかなと思います。

記事としてまとまりがない気もしますが、無理がない程度に技術トレンドと接するのがよいのではないかと思います。

関連エントリー

jQuery基礎文法最速マスター
フロントエンドのテクニカルディレクションに求められるスキル
スマートフォンサイトをデザインする上で知っておくべき10のTIPS
AndroidやiPhoneのHTML,CSS,JavaScriptのバグまとめ

スポンサードリンク

«フロントエンドのテクニカルディレクションに求められるスキル | メイン | Web制作における対応ブラウザの選定方法»