会社設立時の物件探し

株式会社トゥーアールを作って2年がたち、当時のことを色々と忘れだす時期なので備忘録がてらに正解だったこと失敗だったことなどを記事にしていきたいと思います。初回は「会社設立時の物件探し」。

設立時の最大の壁

会社設立時に1番問題になってくるのは会社を登記する住所です。

とりあえず自宅で登記としたいところですが、個人で契約している賃貸マンションに法人登記するというのは多くの場合は契約違反になってしまいます。

理由としては、そもそも個人と法人で賃貸契約の課税方式が異なり、個人の場合は非課税なのですが法人の場合は課税対象なので消費税がかかってきてしまいます。

そのため個人契約のまま法人登記(事業として利用する可能性がある)というのは不動産業者からは嫌がられ、契約上できないことにしているのが大半です。

賃貸物件を法人契約に切り替えれば上記の問題はクリアされるのですが、この時点では法人登記できていないので法人ではないので法人契約に切り替えることはできません。

とりあえず登記可能かどうかは一度大家さんや管理会社に確認するとよいでしょう、個人オーナーなどの場合は個人契約のままOKを貰えるケースも結構あるようです。

登記不可の場合はどうするかなのですが、選択肢としては以下のようなものがあります。

バーチャルオフィスは登記可能な住所を貸してくれるサービスで郵便物の転送などもしてくれる所が多いのです。
ただ、バーチャルオフィスという理由でペーパーカンパニー(実在しない会社)と疑われて銀行口座開設などの際に審査に落ちてしまう可能性があります。

シェアオフィスやコワーキングスペース、レンタルオフィスは物理的な作業スペースも貸してくれるサービスで有料プランで登記可能な住所というのを提供しているケースが多いです。
バーチャルオフィスと比較すると審査などは通りやすいですが、やはりこちらも審査は厳しめのようです。
また、先日名古屋のコワーキングスペースが倒産した事件がありましたが、スペースの都合で登記した住所が急遽使えなくなるリスクはバーチャルオフィスや事務所物件と比較すると比較的高いということは頭の片隅に入れておいたほうがよいでしょう。

そして登記用の事務所を借りる方法です。トゥーアールでは設立時にこの方法を利用しました。

会社設立時の物件探し

事務所を借りると決まれば物件探しなので諸条件を考えて不動産屋さんに行きましょう。ここらへんは賃貸物件と同じです。

トゥーアールでは、

という条件で探しました。

安めの事務所物件だとトイレがユニットバスというケースも多いのですが、自社で行っている教室運営の都合上独立したトイレがよかったです。
また生徒さんが出入りしやすいようにオートロック不可で探しました。

事前に相場などを調べてあるかないかの微妙な家賃設定を行い後はひたすら根気よく探すだけです。

いつまでに契約というのをきめずに、条件にあう物件があれば契約しますという感じで不動産屋さんが定期的に物件情報を送ってきて気になれば内見というスタイルが比較的良い物件に出会う可能性が高いです。

色々な物件を見ていて気づいたのですが、30㎡というのはわりと変な形の物件が多く広さの割には有効に活用できないケースが物件が多いです。

最終的には広さを妥協して予算を下げ、22㎡で12万円の家賃という事務所の契約を行いました。

狭くなったのですが縦長の非常に形のよい物件でスペースの有効活用がしやすい物件です。

20㎡前後はワンルームの形の良い物件が多いので、広さを下げて形の良い物件をさがすというもの一つの手です。

事務所周辺の施設

事務所を探す際は気にしていなかったのですが、事務所で事業を始めると頻繁に通う施設があり以下のような施設が近くにあると非常に便利です。

100円均一や家電量販店、郵便局、銀行はわかると思うのですが、意外とよく通うのが年金事務所。

現在はスタッフを雇っていることもあり2ヶ月に1回くらいは訪問していますので、足を少し伸ばした際のランチスポットぐらいの距離にあると非常に便利です。

ちなみに税務署やハローワークも近くにあると便利なのですが年に1〜2回しか訪問しないのでそれほど気にしなくて良いと思います。

ちなみに今の事務所の近くに東急ハンズやドンキホーテがありすごく便利なのですが、物件探しの条件に入れるのは難しいだろうと思いリストには加えておりません。

あえて書きませんがランチスポットが豊富、というのが1番重要だったりもします。

会社設立時の初期費用

気に入った物件が見つかれば契約するわけですが、法人登記していないので法人ではないので法人契約できないという問題は解決していません。

探していた際にみたほとんどの物件では、以下のフローで法人契約を行うのが一般的でした。

  1. 個人で契約
  2. 法人登記
  3. 契約を法人契約に切り替える

ここで地味に大きな問題になってくるのが保証会社との契約です。

多くの物件では契約時に連帯保証人を立てるのではなく保証会社に1ヶ月分の家賃を払う契約になっていました。

そのため、個人で契約して保証会社に1ヶ月分の家賃を払い、 契約を法人契約に切り替えた後に再び保証会社に1ヶ月分の家賃を支払わなくていけないというケースがほととんです。

幸いなことに契約した物件は保証会社を立てるのではなく連帯保証人のみで大丈夫だったので上記のような2重支払いにならなくてすみました。

このように物件によって初期費用が大きく変わってきます。

設立当初のそれほど資金がない状態で手痛い出費になる可能性もあるので注意をしてください。

会社設立時の物件探しは以上ですので、これから探される方は参考にしてください。

また、今月に事務所移転をおこなったのでその際の考えはnote:事務所移転に綴っております。

関連エントリー

株式会社トゥーアール (to-R) を設立しました
これからフリーランスになる人へ
開業届けの時期について考えてみる
フリーランスの通帳事情

スポンサードリンク

«新潟グラム2018 Vol.1で「動きのデザインとフロントエンドの連携」というお話をしてきました。 | メイン | AngularのBehaviorSubjectでコンポーネント間の情報を共有する»